債券査定手順 リテール金融分野における債権査定モデルの評価手法
橋本宗則さん(2003入学)の研究テーマ
橋本さんは、リテール金融業における債権の回収難易度に応じた債権管理を行 なうための債権査定モデルの利用方法を研究されています。

債権査定モデルの構築には、決定木、回帰木、回帰分析、ニューラルネットワー ク、またそれらの組み合せによるハイブリッドモデル等が考えられます。しか し、普通にモデルを使ったのでは、債権1件ずつの回収割合を予測する債権査 定モデルは回収割合の平均値が22.69%のところ、予測値と実測値の誤差である RMSEは34.03%〜38.03%と、実務に耐えうる予測精度を満足しません。

リテール金融分野における数理モデルの応用を概観してみても、クレジットカー ドの入会審査モデルやクレジットカードの不正検知などの2値判別問題につい ては多数の応用事例がありますし、債権査定モデルにおいても、「完済」、 「償却」の2値判別問題を予測するモデルが提案されていますが、連続量を予 測するモデルはほとんど見当たりません。予測値と実測値の誤差が大きく実務 への応用が難しいためだと思われます。

そこで、本研究では予測値の類似する債権をまとめて扱い、債権管理コストを 低減する債権査定モデルの利用方法を研究しています。

ビジネス全般において、説明変数となりうる情報が乏しいために予測が難しい と考えられている問題は多数あります。こうした問題に対して、モデルの予測 精度の向上ではなく、モデルの利用方法を研究することにより、実務上意味の ある結果をもたらす場合があります。本研究はそのような一例となっています。

関連論文
  • 橋本宗則, 吉田健一リテール金融分野における債権査定モデルの評価手法に関する研究経営情報学会 2004年度秋季全国研究発表大会予稿 pp.60-63 (2004)