インターネット・コミュニティ・データを使ったテレビCMの商品イメージ形成効果測定

上原宏さん(2006入学:博士)の研究テーマ

提案手法の概要

提案手法の概要

プロダクトイメージの変化

プロダクトイメージの変化

CMとプロダクトイメージ

CMとプロダクトイメージ

タレントイメージ

タレントイメージ

従来は,より多くのユーザーの興味を喚起できることがテレビCMの最も重要な 効果とされ,当該CMを視聴したユーザー数と,当該CMの1人あたりの平均視聴回 数の積として計算されるGRP(Goss Rating Point: 延べ到達率)など,ユーザー への到達度で広告効果を測定することが一般的であった.

しかし,オンラインコミュニティが普及した現状では,従来のように到達率だ けでは広告効果を十分に捉えきれない.マスメディア広告によるブランド認知 からプロダクト購買に至る過程に,オンラインコミュニティでの意見や経験の 共有,関連情報の検索といった消費者行動が介在する.その過程で広告が伝え たメッセージがどのように浸透したかを捉えることが,これからの広告効果を 捉える上で不可欠であるとの認識が実務家の間で広がっている

このような広告効果を表す新たな指標はまだ提案されていないが,オンライン コミュニティで書込まれるプロダクトに対する意見や利用経験の活性度合いで 捉えるという考え方が示されている.本研究では,このような考え方に 即し,テレビCMがインターネット掲示板でのプロダクトイメージ形成にどのよ うな効果を及ぼしたかを捉える広告効果測定手法を提案する.

提案手法は,テレビCMへの関心が持続した期間を特定し,その期間におけるユー ザーのプロダクトに対するイメージとCMへの関心との相関を調べ,相関が認め られたプロダクトイメージを抽出してその特徴を調べる. すなわちテレビCMによるイメージ形成効果を,CMへの関心が集まっている期間 でのプロダクトイメージへの意見の活性度合いで捉えることが本稿での目標である. 本提案によれば,テレビCMによるプロダクトイメージの形成効果に関する以下のようなデータを取得することが できる.

  1. CMへの関心が持続した期間
  2. CMが呼び起こした関心と関心度
  3. CMへの関心と時系列な相関をもつプロダクトイメージの上記期間における特性
高関心度CMでは,主演したタレントのイメージがプロダクトイメージと類似するなど, CMによるプロダクトイメージ形成効果を裏付ける特徴が抽出された.一方,低関心度CMでは, 主演したタレントのイメージとプロダクトイメージとの類似性は認められず プロダクトイメージ形成効果は認められなかった. このように本手法を用いることで,掲示板上の書込みの文脈からは 読み取れない,CMへの関心とプロダクトイメージとの関連性を捉えられることを確認した.
参考文献
  1. 上原 宏,佐藤忠彦,吉田健一, "インターネット・コミュニティ・データを使ったテレビCMの商品イメージ形成効果測定", 人工知能学会誌 (2008)
  2. Hiroshi Uehara, Kenichi Yoshida, "Automating Viewers' side Annotations on TV Drama from Internet Bulletin Boards", 情報処理学会論文誌, V.47, No.3. pp.765-774, (2006/03)
  3. Hiroshi Uehara, Kenichi Yoshida, "Anotating TV Drama based on Viewer Dialogue ―Analysis of Viewers' Attention Generated on an Internet Bulletin Board-", Proc. of SAINT2005, pp.334-340, (2005/01)